子どもたちのインターネット利用について考える研究会、第四期活動報告書を公開
2013.03.28
〜スマートフォンアプリの保護者管理や教育啓発の評価指標のあり方について提言〜
学識経験者や保護者・学校関係者で構成される専門家会議「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」(座長:お茶の水女子大学 教授 坂元 章、以下「子どもネット研」)では、「アプリの第三者レイティングのあり方」などを、第四期(2012年8月〜2013年3月)の調査研究課題と定め、検討を続けてきました。この結果を報告書としてまとめ、子どもネット研のウェブサイト上で本日より公開することをお知らせいたします。また保護者向け教育啓発モデル教材の改訂版「保護者のためのインターネットセーフティガイド〜スマートフォンの安全利用と家庭教育のヒント〜」も同サイト上で本日より提供いたします。
子どもたちのスマートフォン利用が急速に拡大していることで、スマートフォンアプリ利用に伴う様々なトラブルが懸念され、専門知識が無い保護者でも簡単に利用できる、保護者向けの支援サービスの充実が求められています。しかし、子どもネット研の調べでは、AppleやGoogle、携帯電話会社が提供しているアプリの保護者管理機能などについて、「知っている」と回答する保護者は1/3から半数以下に留まり、アプリの利用制限機能の利用経験率は全体の2割にも達しません。青少年のインターネット問題の新しい課題として、スマートフォンアプリの保護者管理機能の認知率・利用率の向上や、保護者管理サービスのあり方についての検討が急がれるところです。
こうした状況を受け、子どもネット研の第四期活動では、「アプリの第三者レイティングのあり方」を調査研究課題と定めました。さらに「教育啓発の評価指標のあり方」、「地域密着型教育啓発事業」の二つを加え、研究会初の試みとして、計三つのテーマに同時並行で取り組みました。
報告書の中では、「アプリの第三者レイティングのあり方」について、関係者に対しアプリ管理機能の周知への努力を求めた上で、「アプリ開発者の自己評価だけに頼らないアプリ管理の仕組みが必要」などの提言をまとめました。また「教育啓発の評価指標のあり方」については、受講者の「行動意図の変化」を研修会後に測定することで、成果を定量的に把握し、取り組みを改善するサイクルが必要と提案しています。「地域密着型教育啓発事業」については、横浜市および東京都渋谷区での取り組み内容とそこで得られた知見をまとめています。
モデル教材については、今期の教育啓発事業の実践成果などを反映し、スマートフォンやアプリ利用についての解説を追加した改訂版として、「保護者のためのインターネットセーフティガイド〜スマートフォンの安全利用と家庭教育のヒント〜」を作成しました。
報告書およびモデル教材は、本日から子どもネット研のウェブサイトで公開する他、一部省庁や自治体、事業者等には、直接の提供も予定しています。子どもネット研では、今後も保護者の支援のための活動を続けていきます。
詳細につきましては以下をご覧ください。
報告書及び教材の内容について、多くの皆様からの改善のご提案をお待ちしております。
本サイトの「お問い合わせ」ページをご利用ください。