子どもたちの安全・安心なネット利用を支える保護者向け教育啓発事業を刷新し、秋田県全域を対象とした地域密着型教育に協働で取組

2013.06.28
秋田県教育委員会
子どもたちのインターネット利用について考える研究会

 

 秋田県教育委員会(教育長:米田 進)は、子どもたちの安全で安心なインターネット利用環境を整備するため、民間が運営する専門家会議「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」(座長:お茶の水女子大学 教授 坂元 章、以下「子どもネット研」)との協働で、「大人が支える!インターネットセーフティの推進」(事務局:秋田県教育庁生涯学習課)に取り組むことをお知らせします。同事業は有識者・関係者を構成員としたインターネットセーフティ推進委員会設置や県内全地域の保護者等を対象とした教育啓発をはじめとする5項目で構成され、本日、同委員会の第一回を開催しました。

 

 秋田県教育委員会ではこれまで、子どもたちの安全なインターネット利用のために、学校現場における情報モラル教育はもちろん、いわゆる学校裏サイト等の検索、フィルタリング導入啓発、保護者等対象の県庁出前講座などを通じて、インターネットの危険性と回避策の周知に努めてきました。

 しかし、スマートフォンをはじめとした携帯型インターネット機器の普及など、子どもたちを取り巻くインターネット環境は、この数年で大きく変わり、これまでの対策だけでは子どもたちをインターネットの危険から守ることが難しくなってきました。子どもたちが安全・安心にインターネットを活用するためには、子ども自身はもちろん、保護者をはじめとする地域の大人にも、課題の理解と適切な対処の力がこれまで以上に強く求められるようになっていることは、本県においても例外ではありません。

 ところが多くの保護者は、急速に普及するスマートフォン等のネット機器・サービスになじみがないことや、その便利さや怖さに対応できないでいることから、子どもとの向き合い方に自信がもてない状況にあります。そこで、秋田県教育委員会では、社会全体で子どもたちをインターネットによる有害情報等から守り、インターネットを健全に利用できるよう、安全で安心な環境を整える「インターネットセーフティ」を推進するため、平成25年度から平成27年度までの3年間、保護者等への家庭教育支援施策として、「大人が支える!インターネットセーフティの推進」に取り組みます。

 

 同事業では、有識者・関係者による協議や情報共有の場として、年2回開催されるインターネットセーフティ推進委員会を設置した上で、地域密着型の講座の開催など、複数の教育啓発施策を進めていきます。行政機関および県内PTA団体だけでなく、民間の研究機関である子どもネット研との協働で事業に取り組むことも特徴です。取組の詳細については次ページ以降をご覧ください。

 

取組方策

  1. インターネットセーフティ推進委員会(年2回)
  2. 家庭教育フォーラム(10月19日開催予定)等での啓発促進
  3. アウトリーチ型啓発モデルコンテンツの開発・提供
    (緊急メール配信システムによる学校単位での情報提供)
  4. 県庁出前講座の実施(継続)
  5. 地域サポーターの養成
    (中学校区を単位としたコンパクトなコミュニティごとに、連続型の講座を開催し、地域の核となる「ネットに少し詳しい大人」を増やす取組。今年度は県内3地区各2会場での実施を予定。)

 

地域サポーター養成講座への企業協賛について

 青少年の安全なインターネット利用環境の実現に早くから取り組んできたヤフー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 宮坂 学)が、本事業の趣旨に賛同し、「5.地域サポーターの養成」の運営に協賛します。

 

■子どもネット研について

 子どもネット研は、子どもたちのインターネット利用をより豊かで安心なものにするために、諸課題を調査・研究し、保護者や行政・業界関係者向けに整理された情報を提供するために平成20年4月に設立された任意団体です。事務局業務はヤフー株式会社とネットスター株式会社が担当しています。

 子どもの発達や教育、メディアとの関わりに詳しい学識経験者を中心に、学校関係者や保護者が集まり、「交流サイトなどの利用リスク」や、「子どもたちの段階的なインターネット利用デビューのあり方」、「保護者向けの教育啓発のあり方」などを調査研究テーマに選び、その結果を関係者に提言しています。またPTAや地方自治体と協力し、安全利用のための教育啓発活動にも取り組んでいます。

 

■秋田県教育委員会と子どもネット研の協働について

 「1.インターネットセーフティ推進委員会」への委員としての参加、「3.モデルコンテンツ開発」への協力、「5.地域サポーター養成講座」のプログラム開発、講師派遣などを中心に、子どもネット研の持つ専門的な知見と経験を活かした協働による事業展開を予定しています。

 また「5.地域サポーターの養成」については、子どもネット研第三期活動報告書の政策提言を参考として秋田県教育庁生涯学習課で立案したものです。子どもネット研主催事業としては、横浜市や東京都渋谷区の教育委員会・公立学校などの協力を得ながら、同様の実証的取組が行われていますが、県レベルの自治体主催での事業展開は、国内でも特に先進的なものです。

 

(子どもネット研座長 : お茶の水女子大学教授 坂元 章)

 

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