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- 保護者のためのフィルタリング研究会
- 第六回研究会議事要旨
第六回研究会議事要旨
第六回研究会議事要旨
- 日時 2010年10月25日(月) 10:00〜12:00
- 会場 ヤフー株式会社 本社11F会議室
- 発表者
警察庁 生活安全局 情報技術犯罪対策課 課長補佐 林 二郎
群馬大学 社会情報学部 准教授 伊藤 賢一
三重県教育委員会事務局 生徒指導・健康教育室 生徒指導グループ 充指導主事 谷岡 伸悟
愛知工業大学 情報科学部情報科学科 教授 阿部 圭一 -
- 出席者(敬称略)
- 委員
下田座長、坂元座長代理、阿部委員、飯塚委員、井島委員、伊藤委員、新谷委員、滝委員
- 議事
(1)開会
(2)平成22年上半期の出会い系サイトに関係した事件等の検挙状況について
(3)海外調査結果 韓国における青少年保護対策について
(4)地方自治体におけるフィルタリング普及促進施策に関する整理
(5)三重県教育委員会における青少年ネット問題への取組み
(6)保護者の為のフィルタリングモデル案策定方針 阿部案
(7)質疑応答・検討
(8)閉会 - 議事要旨
(1)開会
坂元座長代理より開会の挨拶が行われた。
下田座長より、復帰の挨拶が行われた。. -
(2)平成22年上半期の出会い系サイトに関係した事件等の検挙状況について
警察庁 林課長補佐より発表がされた。 -
(3)海外調査結果 韓国における青少年保護対策について
伊藤委員より発表がされた。
(4)地方自治体におけるフィルタリング普及促進施策に関する整理
事務局より発表がされた。
(5)三重県教育委員会における青少年ネット問題への取組み
三重県教育委員会事務局 谷岡充指導主事より発表がされた。
(6)保護者の為のフィルタリングモデル案策定方針 阿部案
阿部委員より発表がされた。
(7)質疑応答・検討
発表に対する主な質疑応答やコメントは次の通り。
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阿部委員のモデル案は、基本的には保護者のペアレンタルコントロール一環としてのフィルタリングの責任を(保護者に)持って頂くためには、保護者にはレベル設定の判断が難しいため、標準モデル案を作成し、保護者を導いてゆくとの主旨だと考える。
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ただし、この案の中でカスタマイズ機能の実施については難しいと感じている。これは、以前に携帯電話の販売員がカスタマイズをどの程度理解しているかをヒアリング調査した際、携帯電話の販売員が的確な回答を直ちに実施出来ない状況を確認したため。
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また、カスタマイズの際に、保護者が子どもの要求に振り回されてしまうリスクの存在が問題。これは、保護者が、ペアレンタルコントロールの意味を理解していないことに起因するが、このリスクに対応するための、保護者の理論武装について考える必要がある。このために、単に年齢でレベルを設定するのではなく、子どもの発達段階(能力)が基準であった方が望ましいと思うので、阿部委員の原案と組み合わせて考えてみたい。いかがか。
(回答:懸念の通り、今回の提案は、標準設定で満足しそれ以上の勉強をしない可能性があり、保護者にペアレンタルコントロールを考えて頂くことに関してはマイナスに働く可能性がある。しかし、例えば、中レベルに設定した子どもが満足せずに低レベルへの変更要求された際、勉強するきっかけになるとも楽観的に考えている。)
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保護者の勉強のきっかけにするためには、保護者がフィルタリングに対してイニシアチブを持って行動することになるといった提案となる必要がある。よって、今回の提案は、保護者がフィルタリングを考える学習動機なることに比重を置いた提案だと考えてよろしいか。
(回答:その方向を目指すべきだと考える。この際は、韓国のレイティングも参考になると考える。私の提案は、枠組みのみであり、具体的な設定内容については、国レベルと業者の間での検討も必要だと考えている。)
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子どもは、フィルタリングやブロッキングを窮屈なモノとして捉えているように考える。これは、保護者はインターネットを子どもに利用させるためにフィルタリングを考えているといったメッセージが子どもに届いていないためだと考える。
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青少年インターネット環境整備法により、フィルタリングを実施していなかった子どもたちも、いったんフィルタリングを実施するというスタート地点に戻された。その時、早急に情報モラルに関する教育の実施が必要であったにも関わらず、遅々として進まなかったことに問題であると考える。また、非常に苦労されている教育現場を考えると、学校教育にそれを全て任せるのは困難なため、三重県のネット対策チームのような専門的な人員が、全県で必要であると考える。
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韓国のレイティングの話は、(レイティングが)自己申告であるとはいえ、ネットユーザ全てにインターネットは自由であるものの、成長段階に併せた閲覧の棲み分けをすることは、非常に良いことだと考える。また、出会い系サイトは規制法により規制が厳しくなった一方、子どもたちにはとってフィルタリングは窮屈なものであるため、抜け道を探すようになったと思う。このような、例外をつぶす作業も必要になると考える。
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警察庁の報告を聞き、改めてひどい状況にあることを感じた。基本的には保護者のためのフィルタリングを考えることだとは思うが、学校にネットパトロールをさせることよりも、学校に保護者や子どもに啓発を実施させることの方が、はるかに簡単だと考えている。これは、学校教育そのものの役割から考えると、子どもをその気にさせつつ知識を提供することが役割であるから。一方、ネットパトロールは、得意な人にとっては問題ないが、全員にさせることはほとんど不可能。その意味で、三重県の話を伺いながら、もっと学校はいろいろな事ができると感じた。
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ただし、最大のネックは、学校の先生自身が、今何が起きているかを知らない上に、危機感がないこと。よって、研究会の結果としてフィルタリングが進んで行くのと合わせて、おそらくは学校の中で教えるリスクの範囲や、フィルタリングは子どものために実施していることを教える必要があると考える。危険性を子どもが認識すれば、当然子どもも注意する。危険性を教えずに規制をするから抜け穴を探す。
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警察庁の報告のなかで、サイトが何らかの対策を実施すると、実施されていない別サイトへ移行するといった繰り返しが考えられる。よって、EMA(第三者認定機関)の認定サイトであれば、一斉にレイティング(年齢認証)をしないと、全く意味が無いと考える。
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韓国の子どもの有害性を判断する第三者機関によるレイティングの話の中で、この第三者機関に対してNPOや市民団体などの様々な団体が意見をするとのご説明があった。アメリカでも同様にそのようなことが行われていると聞いている。日本の場合は同様な事が行われているのか座長にお聞きしたい。
(回答:知る限り日本には存在しない。一番重要なことは、インターネット時代において子どもを守り育てるべき消費者でもある保護者が、消費者としてインターネット関連商品業者に対して、情報開示要求や善し悪しの基準の開示要求を集約する場(機関)が無い点。日本の場合、世界に比べモバイルインターネットの利用が進んでいるため、ペアレンタルコントロールが実施しにくい国であることを、業界を含め持ち、保護者を助ける状態にする必要がある。指摘のように、(消費者の)声を上げ、集約し、業界・企業・産業界・行政に求めるチャネルができたら良いと考える。)
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先ほどの阿部モデル、行政の三重モデル、市民からの声を上げるといった活動が、一体とならなければ、問題は混沌とし、解決しないと考える。
(8)閉会
座長代理からの閉会挨拶の後、事務局から今後のスケジュールについて説明が行われた。